FFmpeg セットアップ — Win 11 WSL(Ubuntu) 対応

最近 Sora2 関連などFFmepgを利用するツールをちょくちょく作るようになりました。配布にあたり今更ながらwingetが一番楽だったのでメモしておきます。Python 向けの注意点含みます。

1. FFpeg

FFmpeg は動画・音声の変換や結合、サムネイル抽出などを行うツールです。
Sora2 ツールでは、生成した動画フレームを mp4 に変換する後処理で使用します。

Windows 11 には winget（Windows Package Manager）が標準搭載されています。
Linux の apt と同様に CLI でソフトを導入できます。

winget --version

出力例：

v1.7.11261

もし認識されない場合は、Microsoft Store で 「App Installer」 を更新してください。

App Installer マイクロソフトサイト

winget install ffmpeg

インストール後、次のコマンドで確認：

ffmpeg -version

出力例：

ffmpeg version 6.1.1-full_build-www.gyan.dev Copyright ...

# 更新
winget upgrade ffmpeg

# アンインストール
winget uninstall ffmpeg

通常は以下のパスに配置されます：

C:Program Filesffmpegbin

WSL 上では Linux 版 FFmpeg を利用します。
Windows 版を流用する必要も、再ビルドする必要もありません。

sudo apt update
sudo apt install ffmpeg

確認：

ffmpeg -version

出力例：

ffmpeg version 6.0-2ubuntu1 Copyright ...
built with gcc 13.2.0 (Ubuntu 13.2.0-4ubuntu2)

項目	Windows 11	WSL (Ubuntu)
管理方法	winget / chocolatey	apt / static build
バイナリ形式	`.exe` (PE)	ELF (Linux)
パス例	`C:Program Filesffmpegbinffmpeg.exe`	`/usr/bin/ffmpeg`
利用用途	Windows ネイティブ CLI, PyInstaller バイナリ	WSL 上の Python / CLI
相互利用	非推奨（/mnt 経由は遅い）	各環境内で完結させる

import shutil
print(shutil.which("ffmpeg"))

出力例：

/usr/bin/ffmpeg

または Windows では：

C:Program Filesffmpegbinffmpeg.exe

この確認ができれば、subprocess.run() から正常に利用できます。

PyInstaller バイナリには FFmpeg を同梱しない方が安全です。
実行時に PATH 検出を行い、見つからない場合は明示的にエラーを表示します。

例（CLI エラーメッセージ）：

FFmpeg が見つかりません。
Ubuntu 環境では次のコマンドでインストールしてください:
  sudo apt install ffmpeg
Windows では:
  winget install ffmpeg

症状	原因	対処
`E: Unable to locate package ffmepg`	タイプミス（ffmpeg のスペル誤り）	`sudo apt install ffmpeg` に修正
`ffmpeg: command not found`	PATH に通っていない	`which ffmpeg` で場所を確認
Windows で `ffmpeg` が動かない	PATH 未設定	`winget` インストールで自動登録される
WSL から Windows ffmpeg.exe を呼ぶ	パス構文不一致	各 OS 環境のバイナリを使用